
今回の刺しゅうは、
お客さまからのご依頼で「本田翼」さんです。
サイズ:347mm×347mm
445,831針(50色)
ミシン:brother PR1000e
アプリ:Photoshop CS5、刺しゅう PRO(刺しゅうプロ)NEXT
制作:Akihito Kouno
お客さまから依頼がありまして作らせていただきました。
最初、ご連絡いただいたとき、
「ジャニーズのなかの人ですね」
と応対して笑われてしまいました。
「お客さまが女性
→ 女性の刺しゅうは依頼しないだろう
→ 翼?
→ 男?
→ ジャニーズの?」
と、とっさに連想してしまったんですね。
「今井翼」という方と勘違いしておりました。
いやあ、はずかしい。
思い込みには気をつけなければ。
というか、
本田翼さんをすでに知っていたらそれですんでる話でした。
今井翼さんのこともよく知らないんですけどね、じつは。
ともあれ、
依頼があったので訊いてみると、
たいへん人気のあるモデル・タレントさん。
「美人はむずかしくてかなわんなあ」
とか云いながら、
気合いを入れて作らせていただきました。

ちなみに、これが元画像。
これを刺しゅうすると上のようになるわけです。
刺しゅうのほうの写真は、
私の腕が悪くて写りが悪い。
実物はより繊細かつビビッドにできていますよ(たぶん)。
こうして並べてみると、
おんなじといえばおんなじなのですが、
雰囲気が異なっているところもありますね。
全体的にもそうだし、部分的にも。
元画像をそのまま刺しゅうデータ化するだけでは、
帽子やカメラの質感は出なかったと思います。
髪も真っ黒にステッチされて、終わり。
肌や背景のグラデーションもがたがたになってしまったはず。
刺しゅうPRO ではじめてフォトステッチを試してみた方は、
かならず、そんな経験をされます。
はい、ご多分にもれず大隅ブラザーもそうでしたよ。
そのあたり、
刺しゅうPRO のプレビュー画面でしっかりチェックしましょう。
きれいな刺しゅうデータにならないようなら、
なんどでも元画像をレタッチしなおします。
その手間を惜しまないこと。
「レタッチを重ねる」のではなく「しなおす」
これが、ポイント。
大隅ブラザーはなにか秘密の技法を持っていて、
簡単にフォトステッチしているんだろう。
そんなふうに、よく疑われます(笑)。
たしかにほかの方よりもたくさん試作を重ねてきた、
ということもありますし、
いつも写真刺しゅうのことばかり考えているので、
なにがしかの「コツ」は身についているのかもしれません。
が、おこなっていることは毎回トライ&エラー。
定型の作業ですむことなんてほとんどなくて、
毎回、元画像を前にどうしたものかと悩みながら。
でも、みんな、そうだと思うんですよね。
手を動かしながら、悩む。
手を動かしながら、解決方法にたどり着く。
それが「ハンドメイド」ってことだと思います。