ときには「渡り糸切り OFF」を



brother Innovis VF1 や LA といった高機能な刺しゅうミシン、
そして PR655、PR1000e といった刺しゅう専用ミシンには、
刺しゅう時「自動で渡り糸を切ってくれる」機能がついてます。

刺しゅう後、渡り糸を切る処理をしなくてすむ。
たいへん便利な機能。
この機能のついた刺しゅうミシンは、
購入時すでにこの機能が ON になっていることが多い。

のですが、
「自動で糸を切ってくれる」ということは、
「自動で止め縫いしてくれる」ということでもあります。

数針その場で足踏みして止め縫いし、
カットした糸端がどうしてもあるていど残るため、
刺しゅうの表側にくらべ裏側の見栄えがよくないことも。

「裏側なんでどうでもいいよ」という場合はともかく、
「裏側も人目にふれる可能性がある」
「肌がふれる部分に刺しゅうを入れたい」
なんて場合には、
「自動 渡り糸切り」の機能を OFF にしてみましょう。

上の写真、じつは、刺しゅうの裏側なんです。




こちらが刺しゅうの表側。

見くらべると色味の濃さで「表裏」は一目瞭然ですが、
このくらいステッチが細かいと、
ぱっと見、表と裏の区別、つかないでしょ?




裏側、拡大してもこんな感じ。
ぼこぼことした糸の塊ができてないので、
見た目もだけど、さわっていて気持ちいいのです。

刺しゅうPRO などの刺しゅうソフトで、
オリジナルの刺しゅうデータを作るとき、
上級者は、裏に糸塊のない(できにくい)データをこころがけます。
でもそれは口で云うほど初心者の方に簡単ではないですし、
ミシン内蔵のデータや、
刺しゅうカードのデータを活用する場合、そうした技術は使えない。

でも、
自動渡り糸切りを OFF にして自分でおこなうだけでも、
刺しゅうの裏面もこのくらいプロっぽい感じに仕上げることができる。

家庭用ミシン刺しゅうのちょっとしたコツですが、
効果が大きいわりには使われてないコツでもあります。

ぜひぜひ、試してくださいね。