【完結編】刺しゅうPRO で岡崎体育ワッペン



一昨日、そして昨日と、
岡崎体育(偉人なので「さん」はつけない)をモチーフに、
brother 刺しゅうPRO によるワッペン講習です。

昨日までは、仮製作。
気になるところを修正して完成作品を目指します。

Decorative 06 という刺しゅうPRO 内臓フォント。
たいへん愛らしいのですが、
視認性ということでいうと、いまいち。
こういう装飾体はロゴで大きく一文字だけ使ったり、
イニシャルをさりげなく、なんてときに効果的。
ワッペンで名前を綴るにはじつはあまり向いてない。

昨日までのデザインだと、
図案と文字が重なっているのでさらに読みにくくなってますもんね。

フォントを変えて(Decorative 06 はべつの機会に使いましょう!)、
文字と図案が重ならないよう配置すると、
「BASIN TECHNO」と「T.OKAZAKI」を同時にレイアウトできる。

本職のデザイナーさんから見ると笑われるかもしれませんが、
とりあえず実用重視です(実用???)。

家庭用刺しゅうミシン、
brother Innovis NX2500D で縫製しました。

きれいに縫製できていますね。




縁縫いを終え、ヒートカットして切り出しました。

刺しゅうは「ぼかし縫い」はけっこう繊細にやってのけますが、
「グラデーション」は苦手です。
ワッペンサイズで色から色への移り変わりを糸だけで表現する。
「不可能だ」と云い切るプロもいるほどです。

大隅ブラザーとしてはそこまで強く否定したくないのですが、
「とほうもない労力がかかるわりには得られる果実が意外に少ない」
とは云えるかな、と思います。

でも、みなさん、グラデーション、好きでしょ?
大隅ブラザーも大好きです。




「糸だけで表現する」ということにこだわらなければ、
+α の工夫でこんなワッペンも可能です。

ハイブリッドで世界は一気に広がります。
大隅ブラザーのワッペン講習ではこういう表現もお教えしたいな。

ま、ただのアップリケ手法なんですけどね。

しかし、
brother のカッティングマシン brother ScanNCut(スキャンカット)を使えば、
アップリケピースが簡単に切り出せます。

ワッペンを 1 枚作るなら不要かもしれない。
でも、複数枚作るのなら、
ScanNCut の活用は効率をとんでもないレベルで高めます。

たとえるなら、
チュニックを縫い上げるのにロックミシンがあるかないか。
体感的にはそれ以上の差があります。

刺しゅうミシンでグラデーショナリー(笑)なワッペンを量産したい方は、
ScanNCut ぜひ使ってみてください。




手順だけお伝えすれば、
あとはお客さまが先に進めてくれます。
完成品は当店のクリエイティブなお客さまがいくらでも作ってくれる。

だから大隅ブラザーは気楽にこんな未完成の作例を作って遊んでいるんです。
「さあ、あとはみなさんどんどん進化させてくださいね」ってね。

そのためには、技術的なことも大切にしたい。

ヒートカットで縁処理したワッペンですが、
ワッペンロックをかけたようにきれいな縁に仕上がってます。
ワッペンロックの美しさとサテン縫いの強靭さを兼ね備えているわけです。

これもまた講習でお教えしている、ハイブリッドなテクニック。