
フォトステッチの場合、
刺しゅうミシンの液晶は高精細なほうがいいのです。
ミシンのディスプレイは、
一般的な縫製では「サイズや糸色数、縫製時間」といったデータ確認と、
「位置決め」で役に立つことが期待されますが、
写真刺しゅうではそれ以上に「色の再現性」が求められます。
このデータで縫い始めていいのだろうか。
その最終的な判断は、
コンピュータではなく、
ミシン側のカラーディスプレイを信頼しておこないます。
* * *
実際に刺しゅうPRO の作業をするコンピュータのディスプレイ。
それはもちろん大事ですが、
これがねえ、わりとウソをつくことが多いのよ。
簡単に明るくしたり暗くしたりできちゃうでしょ?
キャリブレーション、なんてむずかしいことは云いませんが、
「ディスプレイ環境を正しく保つ」ことを考えている方って、
やはり少ないのですよね。
悩みすぎてノイローゼになっている方もいるのですが(笑)。
そのてん、
良くも悪くもミシンの液晶表示というのは設定が保たれている。
しょっちゅう明るさを変更したりしないでしょ?
そこがいいのです。
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厳密にいうと、
たとえば「グラデーションのなめらかさ」はミシンでチェックできません。
液晶でガタついて表示されている場合、
・データはいいのにガタガタに見えているのか。
・データがダメだからガタガタに見えているのか。
その判断がつかないからです。
細部ではなく、
「全体のバランス」をチェックするために使いましょう。
刺しゅう専用機 brother PR シリーズや、
Innovis VF1 や LA といった家庭用刺しゅうミシンの液晶は、
なかなかきれいに表示してくれます。
iPhone や iPad のような Retina な解像度なら、
「もっといいだろうな」とも想像しますけどね。
ディスプレイサイズが小さいぶん、
高精細すぎるとかえって騙されてしまうかも?
すくなくとも、
現時点では上記のミシンがフォトステッチに向いているといえる。
上は brother PR1000e のディスプレイ表示を撮影したものですが、
このくらい表現されていれば、
「いけるのかいけないのか」という目安がつけられます。
大型のフォトステッチの場合、この「目安」がとっても大事。
うまくできなかったからといって、
何枚も作り直すのはたいへんだからです。
ほんとはそれを経験したほうが早くうまくなれるんですけどね。
信頼できる液晶がついていること。
場合によっては、
「んなもんモノクロでいい。
そのせいで値段が高くなってるんでしょ?」
なんて嫌われることだってある「画面の話」ですが(笑)、
フォトステッチャーのみなさんには、
ぜひ注目&活用してもらいたいな。