刺しゅうミシンの選び方



「ミシンなんでも相談会」の会場で、
刺しゅうミシンが動いているところを、
お客さまに見ていただこう。
朝いちばんに brother Innovis D400J をスタートさせたところ、
「きゅきゅきゅきゅきゅーっ」とスキッド音。

たぶん、
メーカーの方が「やめてください〜」というレベルで、
大隅ブラザー、ミシンを酷使しているので、
こういうことはままあります。
さささっ、と分解・調整して対応しました。

そういえば、
「刺しゅうミシンはどんなものを買ったらいいか」
というお問い合わせを、
昨日もメールでいただきました。

メーカーの方に購入の相談をしたら、
《どの機種でも刺しゅうの仕上がりに差は出ませんよ》
と答えが返ってきたそうです。
「じゃあ、格安の刺しゅうミシンでもいいのだろうか」
迷われて、
当店にお問い合わせいただいたという次第。

《どの機種でも刺しゅうの仕上がりに差は出ませんよ》
メーカーの方なら、そういうしかないのかもしれません。
大人には立場というか事情がいろいろあるのです。

しかし、当店の考え方はちがいます。

刺しゅうミシンは、繊細な動きが必要とされます。
同時に、
堅牢性も保証されなければ使い続けることができない。
刺しゅう枠のサイズはミシンの大きさに比例する。

誤解を恐れずざっくり表現してしまえば、
一般的な実用ミシン以上に、
クラス間の差が大きいといえます。

たとえば「針に糸を通す」。
いまどきは、
どのクラスのミシンも、
そこそこ簡単におこなえるようになっていますよね。

けれども、
ふだんの洋裁以上に多用することになる「糸替え」が、
どのくらい簡易におこなえるか。
そんな点ひとつとっても、
刺しゅうミシンの日々の使い勝手は、
地味に、しかし確実に違いが出てきます。

「刺しゅうなんてたまにしかしない」
という方ならいいんです。
でも「刺しゅうでいろんなことをしてみたい!」
そんな意欲と夢を持っている方には、
ぜひ、そのへんもしっかりチェックしてほしいのです。

ミシン本体、刺しゅう機の堅牢性。
その使い勝手。
自分の希望をどこまでかなえてくれそうか。

いちばん大切なところが、
じつは、カタログではいちばんわからない。
自分でふれてはじめて納得できるところです。

刺しゅうミシンは、とくに、
お近くのお店に通って試し縫いをいっぱいさせてもらって、
「このミシンとならつき合っていけそうだ」
そういう予感と確信を持ってご購入いただけたらいいなあ。
大隅ブラザーは、そう思います。

○○○という機種を、
値段だけを見て買ったのですが、
失敗しちゃいました。
もっとちゃんと考えてから買えばよかった……。

当店に日々寄せられる、
相談というかお悩みというか落胆のことばを聞くたびに、
このへんもっとお伝えしていかなければいかんなあ、
そんなふうに感じます。

「蟷螂の斧」とわかっていても、
続けていかなければならないことは、あるのです。

「通って試し縫い」
これができる店と、みなさんが出会えますように!

     *     *    *

鹿屋市輝北町のお客さま。
このたびは brother SOLEIL 120E をご購入いただき、
まことにありがとうございます。
とにかくしっかり縫えるミシン。
そして、イニシャルくらいは刺しゅうで挑戦してみたい。
ご要望に合うミシン、きっちり検討して選んでいただきました。
愉しく末永く使っていただけるよう、
がんばってサポートさせていただきます。
「刺しゅうPRO の使い方」?
はい、それこそ当店におまかせください(笑)。