刺しゅうPRO:フォトステッチ 3歳2ヶ月+8ヶ月



今回の写真刺しゅうは、
「子供」をテーマに自分ちの子を。

サイズ:347mm×347mm
412,896針(50色)
ミシン:brother PR1000e
アプリ:Photoshop CS5、刺しゅう PRO(刺しゅうプロ)NEXT
制作:Akihito Kouno




人物のフォトステッチでいちばんむずかしいのは、やはり、女性。
比較的作りやすいのは、おじいちゃん。
幼い子供は……どうでしょう。

子供のやわらかい感じを出すためには、
グラデーションをうまく表現できるかどうか。

なめらかなグラデーションで人物を表現するためには、
刺しゅうデータを作る段階での試行錯誤が必要です。
そのかわり、
もともとじゅうぶんかわいい素材ですから、
あるていど仕上げることさえできれば、
それだけでいい雰囲気になる。

あとは、いい写真を使うこと。

「高級機で撮影を!」とまではいいませんが、
廉価でもデジタルカメラの写真を使ってください。
携帯電話とスマートフォンの画像はやめておくのが、吉。
「フォトステッチ、きれいにできません」
なんて相談を受けて画像を見せてもらうと、
たいてい写真がダメダメで、
「どう加工してもこれはムリですよ」ということが多いのです。

刺しゅうPRO のフォトステッチ機能は正直者。
写真がピンぼけだと刺しゅうもピンぼけになる。
必定です。

そのてん、Apple ファンだからいうわけではありませんが、
iPhone と iPad は、
撮影条件さえよければわりといい画像だったりするので、
こちらは使えることが多い印象。
たとえば こちらの作品 の元画像は iPad で撮られたもの。

ちなみに、
今回の刺しゅうの元データは RICOH GR の写真です。

今回は brother PR1000e という刺しゅう専用ミシンを使っていますが、
この半分の大きさなら、
家庭用刺しゅうミシン、
brother Innovis LA とか VF1 で作ることができる。

フォトステッチを勉強されてる方には、
ぜひ挑戦してほしいテーマです。

大隅ブラザーでは、
ミシンや刺しゅうPRO をご購入いただいたお客さまに、
フォトステッチ講座をおこなっています。
当店で勉強していただいて、
フォトステッチを前面に押し出した刺しゅう屋さんを開業される、
なんて方々も生まれています。
うれしいですね!

一方、残念なのは、
当店に寄せられる、
「小さな刺しゅうミシンを買ったがフォトステッチができません」
という相談がいまだに多いこと。

カタログにあるスペック比較ではわからないのですが、
廉価版の刺しゅうミシンはフォトステッチを前提に作られていません。
「小さなサイズなら可能かも」
そんなふうに考えたくなる気持ちもわかりますが、
ミシンの処理能力と耐久性を考えると、現実的じゃない。

でも、
「だいじょうぶですよ」と販売して、
できないことがわかってそれを伝えると、
「そんなむずかしいことはメーカーに訊いてみて」
という販売店が(多いのか少ないのかわかりませんが)いまだにあるので、
そういうところで刺しゅうミシンを買っちゃうと苦労しますよ。
と、これは我田引水な話ですけどね。
ほんとなのです。

お気をつけあれ。