大隅ブラザー流:サテン縁のワッペン縫いつけ方法




「サテンの縁のあるワッペンを、
 ふつうのミシンで縫いつけるときは、
 どんな縫い方をしていますか?」


とご質問がありました。
ふむふむ、考えてみましょう。

ワッペンやアップリケを縫いつける方法はいろいろあります。
直線やジグザグを使う方もいるし、
刺しゅうミシンだと「アップリケ縫い」なんていう、
そのものずばりの縫いもようが入っていることが普通です。
これを使っている方も多いはず。

要は「外れない」ように縫えればなんでもいいんです(笑)。

大切なのは、

★ 形状や質感など「どんなワッペン」を縫いつけようとしているのか。
★ 縫いつける側は「どんな質感の布帛(でない場合もある)なのか」

で使い分けること。

「この縫い方ひとつおぼえておけばだいじょうぶ!」
なんて方法はあんがいないので、
可能であれば試し縫いをして調整してほしいところ。
どんな縫いものでもそうですけれどね。

また、縫い目というのはデザインを左右する大きな要素でもあるので、
どのような縫い目を選ぶかによってワッペンの雰囲気は大きく変わります。
こだわる人はしっかり悩みたいところ。

なんて、一般的な話はどうでもいいですね。
大切なのは「大隅ブラザーおすすめの方法」か(笑)。

刺しゅうミシンの取扱説明書でワッペン・アップリケを縫いつける項目を探すと、
上の画像のような説明がなされていることが多い。

★ 「汎用布押え」を使って、
★ 「アップリケもよう」で縫う。

たいていのものはこれできれいに縫いつけられます。
アップリケなどにはたしかにおすすめの方法なのですが、
たとえばワッペンはサテン縫いの縁が作られていることが多いですよね。
その場合は、
上の画像の縫い模様を「反転」させた縫い模様を選んで使うといいのです。

画像だと、櫛の歯がワッペンの内側に向かっていますよね。
これを「ワッペンの外側」に向かってる感じにするんです。
図では、ワッペンの外側を基準に縫製していますが、
ワッペンのサテン縫いの内側の縁を基準に縫い進めていく感じです。

こちらのほうがより強固に縫いつけることができます。

また、薄手の服などに縫いつける場合、
縫い目がゆがむと縫いつけ皺ができやすい。
これも、上記のように反転したアップリケ縫いを使うことで、
きれいに仕上げやすくなります。

「複雑な形状に対応する&しっかり縫いとめる」ためにも、
縫い目は細かめ(2.0mm)がいいですね。

また、汎用の布押えを使ってもいいのですが、
家庭用ミシンには「アップリケ押え」なる布押えがあります。
針落ち部分が広く見やすくなっている布押えなのですが、
これがとーっても便利なので、
刺しゅうミシンを使っている方には、
いっとう最初にそろえてもらいたいアクセサリーです。

手順をまとめます。

サテンの縁のあるワッペンの場合、

★ サーモライトなどのアイロン接着シートを使って、
  ワッペンを固定(接着)する。
★ 布押えは「アップリケ押え」を使う。
★「ワッペンの外側に櫛の歯が出る向き」の「アップリケ縫い」を選択する。
  (上の画像とは反対の方向)
★ 縫い目は細かめ(2.0mm)
★「サテン縫いされた縁の内側に沿って」縫い進めていく。

上記とはちがう方法でワッペンをミシンで縫いつけされている方も多い。
とくに服への縫いつけは「そもそもミシンを使えない」こともありますよね。
でも、上記の縫い方は手縫いで縫いつけるときにも参考になるはず。

自分流の縫いつけ方を見い出すのもワッペンの楽しみのひとつだと思います。

でも、ワッペンの縫いつけ方で悩んでいる方がいたら、
ぜひ、上記の方法、いちど試してみてください。
きれいに簡単に仕上がりますよ!








たまには刺しゅう屋さんのまねごとを



大隅ブラザーはミシン専門店なので、
お客さまに、
刺しゅう機の使い方や刺しゅうデータの作り方をお教えしています。

刺しゅうそのものを依頼されることもあるのですが、
刺しゅうは刺しゅう専門店さんに頼むのがいちばん!
ご遠慮いただくこともじつは多いのです。

とはいえ、
「渡世の義理」というのもありまして、
刺しゅう依頼、引き受けることもあります。

大隅ブラザーのおとなりに、今月末、和定食のお店がオープンします。
「スタッフのポロシャツに刺しゅうを入れたいのですが……」
なんて相談されましたので、
今回はもちろんよろこんで!お引き受けさせていただきました。

いま流行の極薄ストレッチ素材のシャツなので、
直接、刺しゅうするではなくワッペン方式で対応します。
早くきれいにできるので、最近、多用されることの多い方法ですね。

縫いつけそのものは一般のミシンでおこなってもいいし、
そこまで PR1050X で完結させちゃう手もあります。
このへんは仕上がりぐあいや納期、費用もかかわってくる話なので、
お客さまと相談しながら。

というわけで、
ただいま PR1050X フル稼働!




PR1000e、PR655 ソフトウェアアップデート!(Ver.4.30 & 4.40)



brother の刺しゅう専用ミシン。
brother PR1000e と PR655 のソフトウェアがアップデートされましたよ。



【対象】
★ brother PR1000e(PRT12)→ Ver 4.30
★ brother PR655(PRT09)→ Ver 4.40



バージョン 1.14 の修正点 (2017/06/20)

1. 以下の刺しゅう枠(別売)が利用できるようになりました。

・クランプ枠 M (PRCLPM1AP)
・ネーム枠キット (PRHCK1AP)
マグネット枠
★ マグネット枠は 2017 年 秋ごろ発売予定です。



2. ソフトウェアのアップデートを行うと、設定画面の 1 ページに「D/E 調整」設定が追加されます。
D/E 調整の設定手順についてはホームページよりご確認ください。




brother PR1000e、PR655 をお使いのみなさま。
たいへんお待たせいたしました!
これまで PR1050X でしか使えなかった、
人気のクランプ枠 M とネーム枠キットにようやく対応です!

★ クランプ枠セット M (PRCLPM1AP)35,000円(税・送料別)
★ ネーム枠キット (PRHCK1AP)25,000円(税・送料別)

上記は当店でも販売しております。
下記リンク先からアップデートファイルがダウンロードできますので、ぜひ!

そして、さりげなく新しい情報も。

この秋に「マグネット枠」がリリースされるようですよ!

brother PR シリーズでマグネット枠を使うには、
サードパーティー(って最近あまり使わないことば?)が、
受注生産したものを購入するしか手がありませんでした。
これからはメーカー純正品が使えるようになるようです。
やったね!

なお、リリースノートにある「D/E 調整」というのは、
PR1000e と PR655 を新しい枠に対応させるための機能。
新しい枠を買ったときいちどだけおこなっていただく作業に必要なもの。
手順としてはボタン押すだけなので簡単作業。
心配しなくってもだいじょうぶです!



【リンク】
brother PR1000e ソフトウェアダウンロード
brother PR655 ソフトウェアダウンロード








PR1050X ソフトウェアアップデート!(Ver.1.14)



brother の刺しゅう専用機のフラッグシップ。
PR1050X のソフトウェアがアップデートされましたよ。



バージョン 1.14 の修正点 (2017/06/20)

1. ミシンとパソコンをUSBケーブルで接続したときの接続の安定性とデータ転送の速度を改善しました。
なお、今回の変更に伴いミシンとパソコンを USB 接続したときの「リムーバブルディスク(一時保存領域)」の最大のメモリー容量が約 5 MB に変更になりますが、ご利用いただく上で支障はございません。

2. 一部の枠模様の縫製データを改善しました。




今回は「機能追加」というより「バグフィックス」のようですね。
ただ、上記以外の不具合などもさりげなく修正されていたりしますので、
PR1050X ユーザーの方はちゃちゃっとアップデートしてしまいましょう!
下記リンク先からアップデートファイルをダウンロードすることができます。



【リンク】
brother PR1050X ソフトウェアダウンロード








今日の修理:SINGER MERRITT L-38



今日の修理は、鹿児島県鹿屋市のお客さまの家庭用ミシン。
SINGER MERRITT L-38 です。

「ミシンがきちんと動かない」とお持ち込みいただきました。

モーターベルトがゆるんでいたので、
モーター位置を調整。
ミシン自体はいまのところ軽快に動いていますが、
どの部分も油切れで、
いつ固着で動かなくなってしまうかわからない状態でした。

整備することでしっかり縫うことができるようになりました。

お使いのお客さま、
ご結婚のとき(38年前!)に購入されたミシンなのだそうです。
「嫁入り道具のひとつにミシンを」といういまは昔の時代の話ですね。
買い替えもご検討していただきましたが、
思い出も思い入れもあるミシン。
とことん使い切っていただけるところまで使ってほしいな。
調整にも思わず力が入りました(笑)。




今日の修理:JAGUAR KC-300



今日の修理は、鹿児島県鹿屋市のお客さまの家庭用ミシン。
JAGUAR KC-300 です。

以前は問題なかったのだけれど、
最近、縫うと糸が絡まるようになってきた。

内釜の傷が原因でした。

内釜はほんらい傷がつかないようミシン内部で動くのですが、
糸からまりの際にイレギュラーな動作をしたり、
曲がった針と干渉することで傷がつきます。

いったん傷がつくとさらに糸がからまるようになる。
すると、ますます傷がつく。
結果、さらに絡まるようになる……の悪循環。
ひどくなると釜そのものを傷つける原因ともなりますので、
早めに対応するのがいいですね。

ちなみにこの「内釜」というのは、
ほかのミシンでいう「ボビンケース」にあたる部分。

内釜はプラスティックでできているので傷がつきやすい。
「昔のミシンのほうがじょうぶだったわ」とおっしゃる方もおられます。
(ボビンケースはいまも新しいミシンで使われてるんですけどね)
たしかにボビンケースは金属ですが、傷がついたり変形したり錆びたりします。

しょっちゅう交換するものではありませんが、
どちらも「消耗品」であることは変わりない。

一見、異常のなさそうな内釜・ボビンケースも、
交換するとミシンの調子が見違えるように改善することがあります。

長いあいだ点検も整備もしていないミシンで、
「以前はもっときれいに縫えてたような気が」と感じている方は、
ぜひ、お近くのミシン専門店に相談してみてくださいね。




刺しゅうPRO:はじめてのはじめてはアンパンマンを



本日は、
brother Innovis VS と brother 刺しゅうPRO 10 を使って、
「ミシンを買ってはじめて刺しゅうデータを作ります!」
というお客さまへの講習でした。

刺しゅうソフトを買って刺しゅうデータを作って縫製。

となると、
みなさん最初っから意気込んでものすごく複雑な下絵を準備されるのですが(笑)、
まあ、落ち着いて、落ち着いて。

まずは、アンパンマンあたりを作ってみましょう。

版権のあるものですので、
これを商売にしてはいかんのですけれど、
ご自分で楽しむぶんには好きなキャラクターをどんどん作っちゃうのが、
刺しゅうソフトに慣れる近道。
愛は、技術や経験不足を補って余りあるパワーを発揮します。

なんてったってアンパンマンは活用範囲が広い(笑)。
お子さん、お孫さん、ひ孫さん。
親戚やお友だちのお子さん etc…… 。
刺しゅうしてあげればよろこんでくれる対象には事欠きません。

今日は「ほんとにはじめて」の講習なので、
アンパンマンの顔だけのワッペンの作り方をおぼえてもらいました。
顔だけ、とあなどるなかれ。
味のあるアンパンマンの顔を刺しゅうするのは、
シンプルなぶん、一般に想像されているよりむずかしいのです、じつは。

アンパンマンがうまくできたらもうそれだけで初級は卒業です。

刺しゅうを衣服やバッグに直接刺しゅうできるようになることも大切ですが、
応用範囲が広いのはじつは「ワッペン仕立て」。

刺しゅうミシンの扱い方、刺しゅうソフトの使い方、
仕材をどのように選び使用するか。
時間はかかりましたががっつり学んでいただけたのではないかと。

当店の刺しゅうミシン講習は brother ScanNCut CM650W も大活躍。

これがないとワッペン作りしたくない!というほど要所を押さえてくれるので、
お客さまも、
「つぎは、これを買わなきゃ……ですね」
と笑ってあれこれ計算しておられました。

刺しゅうミシンは一般的な家庭用ミシンよりどうしても高価ですけれど、
ワッペンの作り方をおぼえるととてつもないパワーを発揮します。
若い世代の方にもどんどん挑戦してほしいなあと思います。

当店は、
「アフターサービス」なんてビジネスっぽい言葉じゃなくて、
熱意ある方を「バックアップ」して支えていきたい。

なんてことをいっつも考えてるミシン専門店です。








今日の修理:JUKI HZL-7800



今日の修理は、鹿児島県肝属郡のお客さまの家庭用ミシン。
JUKI HZL-7800 です。

動かしてしまえばなんとなく縫えるんですが、
プーリーがものすんごく重い。
このままだましだまし使っていけば、
早晩、固着で動かなくなること必定な状態。

ミシンも「機械」ですから固着への対策や対応は必要です。

いきなり注油するのではなく、
分解して内部を掃除しながら古い油やグリスを溶かし出し、
新しいものにおきかえます。

古いミシンはボビンケースがダメになっていることも多い。
サビサビなのはもちろんですが、
一見きれいでなんの問題もなさそうなボビンも、
新品に交換することで縫い目がぐっときれいになったりします。

時間をかけて調整することで、
軽快に縫えるミシンになりました。

機能的にシンプルなので使いやすいと思います。
できるだけ長く使用していただきたいミシンです。




今日の修理:JUKI HZL-7200



今日の修理は、鹿児島県鹿屋市のお客さまの家庭用ミシン。
JUKI HZL-7200 です。

10年ぶりに使うのでまるっと点検してください、
とご依頼いただきました。

この「ひさしぶりに使う前に点検を」というのは、大正解。
長いあいだ使われずに放置されていた機械は、
油やグリスが悪くなっていたり、
そもそもなんらかの不具合があるなど、
「使われなくなった原因」があったりするもの。

「そのまま使い始めたがゆえにとどめを刺しちゃった」
なんてこともじつは少なくありません。

本体のパネルを外して清掃したのちに、きちんと注油。
点検や修理料金はかかりまりますが、
それでミシンの寿命がまったく変わってくるわけですから、
「古いミシンを発見した!」なんてときには、
点検に出すか出さないか、ここが分水嶺。

サビだらけになったボビンやボビンケースなんかも、
ついでに交換してしまいましょう。
縫っているときの音がもうまったくちがってきますよ。
うん。




今日の修理:JANOME Memory Craft 6000



今日の修理は、鹿児島県鹿屋市のお客さまの家庭用ミシン。
JANOME Memory Craft 6000 です。

縫い模様が多彩である、ということ以上に、
静かにことことどんなものでも縫い上げてくれるということで、
いまでも愛用者の多いミシンです。

今回のこのミシンはちがいますが、
このメモリークラフトはネットオークションなどでも人気があるらしく、
それなりの価格で売買されているようです。
ただ、当店に持ち込まれる、
「ネットオークションで買ったんですけど……」と持ち込まれるミシン、
このメモリークラフトにかかわらず、
なかなかきびしい状態のものが多い。

「動きます」と「縫えます」はちがうんですよね(笑)。

このミシンはお客さまの使用状態がよかったために、
清掃して、針とボビンを交換して、という基本的な処置だけで、
気持ちいい音で縫えるようになりました。

いいミシンですので、
ミシンをお渡しするさいに使用方法をあらためてレクチャー。
正しい使い方で、
お客さまにすこしでも長く使っていただけたらいいなあ、と思います。




一日かけての刺しゅうPRO ワッペン講習



本日は、宮崎県から刺しゅうPRO の講習でお客さまがご来店。

ワッペンの作り方をあらためて。

その場で刺しゅうPRO 10 にアップグレードしていただいて、
データ作成の勘どころをお伝えさせていただきました。

ミシンでの縫製そのものには慣れておられるお客さまなので、
ヒートカットでのワッペンの切り出し方など以外は、
基本的にデータ作成についてのあれこれを。

いろいろお伝えしたことはありますが、
刺しゅうは「拡大縮小自由自在」ではないので、
つねに実寸を念頭に入れてデータを作っていきます。

L、M、S のサイズで縫製する必要があるのなら、
3種類のデータを準備しなければいけない、ということ。
このへんに神経を届かせることができると、
刺しゅうのクオリティが、俄然、上がってきます。

午前中から夕方までみっちりの講習でしたので、
さすがにお疲れになったのではないかと思いますが、
今後のお仕事に活かしていただければいいなあ!と思います。

でも、フェリーのなかで倒れちゃうほどは働き過ぎちゃいけませんよ。
ほんと(笑)。