ミシンの針が交換できない!ときは



鹿児島県志布志市のお客さまから、
「ミシンの針が交換できなくなった!」との SOS 。

職業用ミシン JUKI SL-300EX を店舗でお使いのベテランさんです。
はれま、めずらしい。

「折れた針を交換しようとして外したが新しい針が取りつけられない」
のだそうです。

「針止めネジ」が締まっている場合もあります。

ミシン針を外すときはすこしゆるめただけで針が落ちてくるんですが、
入れるときにはそれではちょっときついことがある。
新しい針を差しこむときには、
もう一回転、針止めネジをゆるめてあげると、
収まるべきところにすんなり収まります。

しかし、
「針交換ができない」原因でもっとも多いのは、
じつは「まちがった針を交換しようとしている」です。

ミシンの針は2種類あります。
「平針」と「丸針」。

家庭用ミシンで使われているのが「平針」。
職業用・工業用ミシンで多く使われているのが「丸針」。

針の軸が平らに削ってあるか電柱のように丸いかどうか、なのですが、
これ、ミシンによって決まってます。
「どちらでも使える」ミシンはないんですね。

職業用ミシンも平針仕様と丸針仕様が混在していますし、
ロックミシンもいまどきの機種は平針を使いますが、
古いロックミシンだと丸針仕様。

でも、出張修理でお客さまのご自宅に伺うと、
家庭用ミシンしか使っていないのに引き出しから丸針がごそっと出てきたりする。

それでも、
おひとりで使っているミシンは気をつけていればまだ混在を防ぎやすい。
ですが、
不特定の方が出入りする公共施設や学校、ミシンが使われる職場などでは、
いつのまにかミシンに合わない針が持ち込まれて、
ごっちゃになっちゃってることも多いんです。

今回のお客さまも、確認していただいたところ、
「交換できなかったのは軸が削っている針でした!
 丸い針にしたら交換できましたよ!
 でも、どうして使えない針がミシンのそばにあったんだろう???」
でした。

あるはずがないものが混ざっているから混ざっていることに気づかない。
うむ、そういうものなんですね。

そういえば、
昨年、brother の刺しゅう機(PR600)を修理したときも、
丸針が無理矢理取り付けてあってびっくりしたことがあったなあ。
入れようと思えば入るんだ!(でも、やっちゃダメですぞ)

たかが針、されど針。
縫製にとってもっとも大切な部品ですので、
ミシンに合ったものをお使いください。

使っているミシンの針がわからない。
そんなときもお気軽にミシン専門店に訊いてくださいね。