今日の修理:brother PR600



今日の修理は、某隣県でおもに名入れ作業に使われている刺しゅう専用ミシン。
brother PR600 です。

古いミシンですもんね。
使い込まれていることもあって、
いろいろ不具合が列挙されて持ち込まれた刺しゅう機。

修理すべきところは多いのですが、
今回のメインはこの針棒ユニットをごっそり交換すること。


ここまで外装を剥がしてしまえば、
今回は作業できてしまうのですが、
ついでにまるっと点検したいので、
カバーはこのあとぜんぶ取っ払っちゃいました。


刺しゅう機はコンピュータミシン。
なのでこんなところも点検しますよ。

機械以外も扱わないといけない。
最近のミシン専門店もたいへんです。

残念なことに、
PR600 の液晶パネルに関しては、
すでにメーカーの交換部品の在庫がありません。
それ以外の部品もそのうち……という雰囲気ですので、
調子の悪い PR600 を使われている方は、
かかりつけのミシン専門店で早めに点検修理してしまうのが吉ですよ。


刺しゅう機の修理。
部品交換そのものはまあ決まった手順でおこなえばいいのですが、
問題はじつはそのあと。
正常に縫製できる状態に持っていく調整になかなか時間がかかります。

これ「できれば修理したくないねえ」と本音を漏らすミシン専門店も。
わかりますとも、わかりますとも(笑)。

でも当店は刺しゅう機の修理、わりと好きなミシン専門店なので、
あちこちで断られている方、持っておいで、送っておいで。

結局、今回もなんだかんだとまる一日費やしてしまいましたが、
60分ノントラブルで刺しゅうできるようになりました。

よく刺しゅう機を比較するときに、
「いかに高速か」という数値を気にされる方がいる。
もちろんそれはそれで正解なのですが、
より大事なのは「トラブルが少ないこと」。
原因不明(ほんとは原因があるんだけれども)でしょっちゅう止まる高速機より、
トラブルなしで動き続ける刺しゅう機のほうが、絶対いい。

でもそれは、
お客さまに合わせた形でミシン専門店がきちんと手を入れることで、
はじめて可能になる。
まっさらな新品の刺しゅうミシンって、意外と使いにくいのよ。

今回の PR600 も、
お客さまの要望に合わせていくつかチューンをほどこしてあります。
故障前よりきれいで安定した縫製ができるように。

さあ、またいっぱい働いてもらいましょう!