刺しゅう用接着芯の基本的な使い方



2ヶ月以上前に作った刺しゅうデータですが、
brother PR1000e にて、ようやく縫製にこぎつけました(笑)。

フィンセント・ファン・ゴッホ「星月夜」です。

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「刺しゅうがいまひとつきれいにできないなあ」
刺しゅうミシンユーザーでそう悩まれている方、少なくないです。
「技術的な到達度の差」というのももちろんありますが、
「仕材の使い方がまちがっている、もしくは我流のままである」
そういう場合も、じつは、多く見受けられる。

brother の刺しゅうミシンをお持ちの方は、
brother 純正の刺しゅう用接着芯を使ったことがあると思います。
そのなかに取扱説明書がついているの、ごぞんじですか。

「刺しゅう枠の正しいセットのしかた」とともに、
「刺しゅう用接着芯の使い方」が解説されています。

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刺しゅう用接着芯の使い方



基本的な刺しゅう用接着芯の使い方
a) 枠よりも大きく切った刺しゅう用接着芯を
  刺しゅうされる布の裏側にアイロンで接着します。
  注意:刺しゅう用接着芯の光沢のある面が接着面ですので、
     その面を布に当てて接着してください。
b) 布を刺しゅう用接着芯と共に刺しゅう枠にセットします。
c) 刺しゅう終了時、
  余分な刺しゅう用接着芯を破って取り除いてください。



以下のような特殊な布地に刺しゅうするときは、
下記を参照ください。


【A】伸縮性の高い布地……Tシャツ、トレーナー等
a) 布の裏面に刺しゅう用接着芯をアイロン接着します。
b) さらに刺しゅう枠にセットされた布の表面に、
  刺しゅう用接着芯を置いて刺しゅうすることで、
  より布地の伸縮が防止され、
  きれいな仕上がりを得る事ができます。

【B】毛羽だった布地……タオル等
a) 布の裏面に刺しゅう用接着芯をアイロン接着します。
  布の裏面も毛羽だっている場合、
  刺しゅう後刺しゅう用接着芯を取り除く際、
  布を傷つけないように、
  刺しゅう用接着芯をアイロン接着せず、
  布だけを刺しゅう枠にセットし、
  布とミシンテーブルの間に挿入してください。
b) さらに刺しゅう枠にセットされた布の表面に、
  刺しゅう用接着芯を置いて刺しゅうする事で、
  縫い目の間から布地が飛び出す事が防止され、
  きれいな仕上がりを得る事ができます。

【C】非常に薄い布地……ローン等
a) 非常に薄い布地に接着する際は、
  この刺しゅう用接着芯を使用しますと、
  たとえ布に接着されていなくとも、
  刺しゅう後取り除く事が困難(布を傷つける)な為、
  代わりにコピー用紙かトレーシングペーパーを使う事を、
  お勧めいたします。

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こうしたことを知らずに刺しゅうに悩んでいる方も多い。
もちろん、
ミシン刺しゅうのコツは「これだけ」ではありません。
もっと便利な仕材もありますし、
仕事で刺しゅうをされている方は、
より業務に特化した、
上記とはまったくちがう方法を取っていたりもする。
それでも、
こうした基本を忠実に守ってステッチをおこなうだけで、
仕上がりが目に見えて美しくなることも、また多い。

まずは「基本」を試してみてください。
「応用」はそのあとで。