デジタルワークのその先に



鹿児島県鹿児島市内で brother PR1000e を導入、
この春、刺しゅう専門店を開業されたお客さまの工房で講習です。

刺しゅうデータを作るというデジタルワークに慣れてくると、
「実際の刺しゅうの仕上がりとの差」が気になるようになってきます。

帆布のバッグ用に作った刺しゅうデータを、
たとえば伸縮素材のスポーツウェアに流用する。
「ただ刺しゅうすること」は簡単にできますが、
「美しく刺しゅうできる」かどうかはまた別の問題です。

刺しゅうが変形していないか。
刺しゅうの周囲にしわが寄っていないか。
刺しゅう面積が大きければ、
伸び縮みの大きなウェア自体が変形してしまうことだってある。

上記を最小限におさえようと刺しゅうデータを工夫することはできます。
ですが、最終的には、
・ミシンの設定
・枠張りの技術
・刺しゅう仕材の選定と使い方。
が適切でなければきれいな刺しゅうにならない。
考えることはたくさんある。

でも、ここが刺しゅうのおもしろいところ。
接着芯をどう貼るか。
アイロンの使い方ひとつとっても刺しゅうの出来がぐっと変わる。

ポリウレタン弾性繊維のウェアに、
面積のある刺しゅうをきれいに縫製できるようになるとプロっぽいなと思います。

本日は 14:00 から 20:00 近くまでの講習となりました。
お客さまにはたくさん勉強していただきましたね。
おつかれさまでした。

身贔屓ではないのですが、
刺しゅうミシンをお使いの当店のお客さまはみなさんとても筋がいい。
初心者もベテランもみなたいへんアーティステックなので、
講習していてとにかく楽しい。
と同時に、
成長も著しいので問い合わせ内容もどんどん高度になる。

楽しみつつも緊張の毎日を送る大隅ブラザーです。