刺しゅうPRO フォトステッチ:ロイヤルウェディング!



今回の刺しゅうは、
お客さまからのご依頼で「ロイヤルウェディング!」です。

サイズ:347mm×347mm
470,860針(49色)
ミシン:brother PR1000e
アプリ:Photoshop CS5、刺しゅう PRO(刺しゅうプロ)NEXT
制作:Akihito Kouno




2011年4月29日。
イギリス・ロンドンのウェストミンスター寺院で執り行われた、
ウィリアム王子とキャサリン・ミドルトンの婚礼。
そのときのもようを刺しゅうさせていただきました。

今回は、シンガポール在住のお客さまからのご依頼です。

大隅ブラザー、
刺しゅうPRO やミシンの購入・メンテナンスの件で、
これまでも海外のお客さまはいらっしゃいましたが、
外国からの刺しゅう依頼というのは、はじめて。

この刺しゅうによって、
大隅ブラザーのフォトステッチ、
このたび、はじめて海を渡ることと相成りました。

     *     *     *

写真そのものではなく、それが「刺しゅう」である意味。

写真そのままのイメージ。
それが望みならば写真そのものを飾ればいいわけです。
「刺しゅうらしい表現」ってなんだろう?
そのことはいつも考えるのですが、
今回、部分的に絵画調に仕上がるよう意識しています。
世界で、おふたりの存在だけが際立つように。

ウェディングドレスの、
首から胸元にかけての特徴的な意匠と、
カルティエのティアラ。
キャサリン・ミドルトンの至福の笑顔を引き立たせるため、
ここは強調しつつも脇役にまわってもらいました。

ウィリアム王子のアイルランド近衛連隊の騎馬兵の制服は、
上記の画像で見るとのっぺりしてますが、
刺しゅう実物では、より細かい陰影を表現できている……はず。
「遠くから見ても近くから見ても、味わえるフォトステッチ」
それはやはりクリアしたいハードル。

とはいえ、
元画像を極力いじりまわさないこと。
可能なかぎり自然な雰囲気を壊さないこと。
そのてんにも留意したつもりです。

お客さまに気に入っていただけるとうれしいのですが。

ということで、
写真刺しゅうは完成しましたが、
特注の額の到着がすこしだけ遅れています。
額装して梱包、それからの発送となりますので、
お客さまのもとにお届けするまですこし時間をいただきます。
いましばらくお待ちくださいね。

     *     *     *

そうそう。
この刺しゅうの途中経過を披露しているあいだ、
「結婚式のウェルカムボード用の刺しゅうを作ってもらえますか?」
と、問い合わせや依頼が何件かありました。

大隅ブラザーは、
刺しゅう屋ではなくじつはミシン屋なのですが(笑)、
フォトステッチに関しては、
できるだけ依頼をお受けしたいと考えています。

が、大切な用途の刺しゅうであればこそ、
できれば「ちゃんとした」写真を準備していただけたらうれしいな。
そんなことを、つねづね。

携帯電話やスマートフォンで写した写真は、
じつは、たいてい、フォトステッチの素材として不向きなのです。

写真やカメラのことを知っている方の撮影ならいいんです。
けれど、
一般の方の撮影された写真というのは、
「ピンぼけ」「手ぶれ」「露光不良」、
「ひどい構図」「小さな画質」の四重難、五重難のものが多く、
「これをどう刺しゅうしたらいいのだろう」と、
途方に暮れることも多いのです。

最高の刺しゅうのために、最高の写真をご準備ください。

あと、期日はあまりタイトでないほうがいい!です。
「来週末の式に間に合わせられますか?」という依頼は、
日々、ヒマそうにしている大隅ブラザーとて、
引き受けるにはさすがにむずかしいことも多くって。

でも、これ、じつはけっこうあるんです……。

日程は、余裕を持ってご相談くださいね。