刺しゅうPRO フォトステッチ お客さまの 2PM Jun. K



本日、当店のお客さまから、
「刺しゅう、ようやくできましたよ〜」
と、フォトステッチ作品を見せていただく機会がありました。

先日、フォトステッチ講習を受けられたお客さまによる、
2PM の Jun. K さんです。

データを載せておきますね。

サイズ:350mm×200mm
231,437針(32色)
ミシン:brother Innovis LA
アプリ:Photoshop CC、刺しゅう PRO(刺しゅうプロ)NEXT

おどろくのは、
これが brother の最高機種とはいえ、
家庭用刺しゅうミシンで縫製されていること。

そしてなにより、
これがはじめてのフォトステッチ作品だということ。

     *     *     *

家庭用ミシンでのはじめてのフォトステッチとしては、
刺しゅうPRO:お客さまはじめてのフォトステッチ作品という例もありますが、
今回の刺しゅうはなんというか……刺しゅうとして完成度が高い。

当店の技術も変わってきているので、
(「上がっている」と書かないのはいちおう謙遜)
講習の内容が年々変化していることを割り引いても、
はじめての写真刺しゅうで、縫製、たいへんだったはず。

よくぞここまで。

フォトステッチに取り組まれている方は、
上の刺しゅうサイズに注目してください。

350mm×200mm 。

brother の家庭用ミシンには、
このサイズに対応できる刺しゅう枠がありません。
ということは、
この写真刺しゅう、刺しゅうを分割してつなぎ合わせてるんですね。

brother PR1000e でも慣れないとむずかしい、
写真刺しゅうのつなぎ合わせ。
挑戦したことがある方ならわかると思います。
これ、家庭用刺しゅうミシンでは至難の技なのです。
そういうこと前提にミシンが作られていないので。

当店によくある質問で、
「家庭用ミシンで大隅さんのような大きなフォトステッチができますか」
というものがあります。
いつも返答に窮するのですよね。

できるといえば、できる。
できないといえば、できない。

ミシンやソフトの性能を考えれば、
そのための機能が備わっている、とは云える。
でも実際に縫製しようとすると、
そこにはたいへん高い壁がそびえているように感じるはずです。

自転車で九州一周旅行を計画するようなものかな。
不可能ではないけれど、
思いつきで完走できるほどだれにとっても簡単なわけじゃない。
つまり、そういうことです。

お客さまに訊くと、
はじめての位置合わせにはまる1日かかったのだとか。
そのくらいかかると思います。
PR1000e のカメラ機能に頼りきっている当店には……ムリだ(笑)。

というか、
当店も家庭用刺しゅうミシンでは、
「300mm×180mm」以上の作品は作ったことがありません。
それ以上のサイズを縫製するならやはり刺しゅう専用機です。

「刺しゅう作品には作る人の人となりが映し出されるのでは」
と最近どこかで書いた気がしますが、
いいものを作ろうとする繊細さと緻密さ、
ご本人によると「執念深さ」(笑)の結晶。
これはそんな刺しゅうだと思いました。

「好きな人物を刺しゅうしたい!」という気持ちは大きな力になりますね。

今日はいい作品を見せていただく日になりました。
当店も負けてはいられませんね。