今日の修理:brother Teddy 30



今日のミシン修理は鹿児島県鹿屋市の公共施設で使われている、
brother Teddy 30 です。

2台おあずかりしたのですが2台とも糸立て棒がぽきりと折れてました。

「経年劣化でしょうか」と訊ねられましたが、
そこまで古いミシンではありません。
上糸がひっかかってしまって負荷がかかることはありますが、
こうもみごとに折れることはそうそうない。

持ち運び用のハンドルをつかむとき、
この糸立て棒をいっしょにつかんでしまった使用者がいるんじゃないかな。
たぶん、ですけど。

このミシンは小中学校で使われていることも多いのですが、
不特定の方が使うミシンだとこういう破損系のトラブルはどうしてもおこりやすい。
きれいに縫えないということでチェックすると、
内釜もキズだらけでぎゃくに「いままでよく使ってきたなあ」という感じ。

外部からくるお客さまに貸し出すミシンは、
使い方が誤ってしまうことと同時に、
品質の悪い「針・糸・ボビン」が持ち込まれることも多いので、
どうしても不具合がおきやすい。

先日、出張修理させていただいたお店は鹿屋市内のハンドメイド作家さん。
来店されたお客さまに30分ほどお貸ししたら、
以来、ミシンの調子が悪くなってしまったといいます。

縫製に慣れてない方がわけもわからず使ってしまうわけですから、
壊れたり不具合が起きるということはまれとしても、
「以来、なんとなく使い勝手が変わってしまった」ということはけっこうあります。

ミシンは一般に思われている以上に「個人的な道具」なんですね。
愛用のミシンは他人に貸してはイケマセン。

そういう意味でも、
公共施設で使われるミシン、定期的な点検・調整が必要なことはもちろんですが、
「縫い方」だけでなく「正しい使い方」を、
くりかえしお伝えしていく場にしていかないといけません。

その責はもちろんミシン専門店も負っています。