ミシン選びは「試し縫い」で



鹿児島県垂水市のお客さまに、
brother COMPAL 900 をお買い求めいただきまして、
本日の営業、終了です。

ずーっと brother のミシンを使っていただいているお客さま。
押えホルダーの交換でご来店いただいて、
「あら、いまはこんなに使いやすくなってるの!?」
と、その場で買い換えならぬ「買い増し」を検討していただきました。
新しいミシンはご自身で使い、
これまで使っていたミシンは娘さんに譲られるとのこと。

「昔にくらべてミシンはいまでも使いやすく進化し続けているか」
という点に関しては、
じつはいろんな意見があります。

極論もあるし、暴論もある。

「ネットでミシンの情報は一切見ないようにしている」
というミシン専門店さんの話を聞いたことがあります。
掲示板や Q&A 形式のサイトなどでも、
けっこう誤った情報がやり取りされていたりする。
「腹も立つし、うんざりしてくるからね」
ううむ、まあ、その気持ちはわからなくもない。

たとえば、
「A 社と B 社と C 社のミシン、どれがいいの?」
というよくある質問も、
「質問者がどういうミシンがほしいか」だけでなく、
やはり使ってみて「相性」を確認してほしいなあ、と思います。

「比較」より「自分にしっくりくる」かどうか。

ミシンは「機械」なので自動車に例えられることが多いのですが、
「燃費がいい」「パワーがある」「オプションが充実している」とか、
カタログの数値は大切だけど、それだけでは買わないものですよね。
・乗ってみて、運転しやすそうか。
・ドライビングが楽しそうか。
・その車が好きになれそうか。
・メーカーの企業姿勢に好感を持っているか。
などなど、数値で測ることのできない「自分の感覚」を大切にする。

ミシンにもそういうところ、あります。

比較して吟味して熟考して決めるよりも、
「あ、なんか、これ、いいかも」
直感で決めたもののほうが愛用の一台になったりする。

「あれとこれとそのミシンの購入を考えているんですけど、
 大隅ブラザーさんのオススメはどれですか?」
なんて問い合わせを当店もたくさんいただきます。
「どれも一緒ですよ。好きなのを買われたら?」
とお返事することもあって、
ときにお客さまから鼻で笑われたりするのですが、
それは「数値」ではなく「試し縫い」して決めてみたら?という意味なのです。

カタログを見比べて決めきれないというのは、
云ってみれば、差がたいしてないから。
それなら試し縫いをして、
「肌に合った」ものを選ぶのがいちばんではないかな、と思うわけです。
「どれもしっくりこない」ようなら、
「どのミシンも買わない」という選択だって、あり。
次の出会いを待てばいい。

「口コミ」は参考にはなるけれど「信頼」はしちゃいけない。

皮膚感覚というのかな。
「縫いたいものがきちんと縫えるか」はもちろんですが、
より大切なのは「縫ってて気持ちいい」かどうか。
自分の直感を大切にしてほしいな、と大隅ブラザーは思います。

「音が好きになれそう」なんてのがじつは本質的だったりするんだよな。